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サラリーマンの仕事術

給料がちょっとだけあがるような仕事術について

面接質問の真意(リーダーシップ)3:先頭を走る


採用面接で、大きな配点を持っているスキルにリーダーシップというものがあります。
面接官は直接的には言いませんが、この「リーダーシップ」があるかどうかを、聞き出そうとしていろいろな質問をします。

ところが、あまり満足行く回答をもらったことは多くありません。
回答から推察するに「リーダーという役割」と「リーダーシップの発揮」というものが混同されているように感じます。

そこで、『採用基準』という本にあった「リーダーがなすべき4つのタスク」という章から、リーダーシップについて考えてみたいと思います。


初回にご紹介したように、本書『採用基準』で挙げられているリーダーシップのある人が取るべき行動(タスク)は次のとおりです。

★P116〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

●リーダーがなすべき4つのタスク
リーダーとは、成果を達成する人だと書いてきましたが、では成果を出すためには具体的に何をする必要があるのでしょう。実はリーダーがなすべきことは極めてシンプルで、突き詰めれば次の4つの行為に収束します。

 1.目標を掲げる
 2.先頭を走る
 3.決める
 4.伝える

伊賀泰代(著) 『採用基準
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■先頭を走る


★P122〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

●先頭を走る
マラソンにはり先頭グループという慨念があります。

レース終盤には先頭グルーブから抜け出した数名がデッドヒートを繰り広けますが、 終盤までは、の中にとどまります。体力を漏存しながらペース配分をし、ライバルを警戒させないなどの戦術的な意味があるのでしょう。

先頭グルーブはさらに、そのグループの中で先頭を走るランナーと、その後ろを走る人に別れます。

この「先頭グループ」を率いる「先頭ランナー」は時に、ペースメーカーとして雇われている場合があります。

ペースメーカの指名は自らの優勝や完走ではなく、ある程度の地点まで速いペースを維持して走ることにより、先頭グループ全体の記録を伸ばすことです。

この話からは「先頭を走ることの負担の大きさ」が理解できます。

先頭を走るということは、自らの最終的な勝利を犠牲にせざるを得ないほど大変なことなのです。反対に言えば、人の跡をついていく、誰かの背中を見ながら走ることは、非常に楽なことなのです。

ペースメーカーのいないオリンピックのような大会では、トップを走るランナーには「前の人について行く」という選択肢はありません。ペース配分を自ら考えることはもちろん、向かい風であれば、一身にその風を受けることになります。

これはマラソンだけの話ではありません。何にせよ、最初の一人となるのは負担が大きく、その立場に自らをおくと決めることは勇気のいることです。

2人目なら1人目の結果を見て、「あそこに気をりければいいんだな」とか、ここが肝心のプロセスだしと理解することができます。さまざまなトラブルに巻き込まれるのも最初の人です。

クライミングこにおいて予定したルートの岩場がもろくて崩れてしまうとか、プレゼンテーションにおいて機器の設定が問違っていて動かなかったなどの失敗は、常に最初に起こり、その後はすぐさま改善されます。

1人目になることは、必ずしも得な選沢ではないのです。

それでも、「最初の人になる」「先頭に立つ」ことを厭わないのがリーダーです。

集団の前で何か新しいアイテアが披露され、「誰かこれにトライしてみたい人はいますか?」と問われた時に、周りの様子をうかがうのではなく、すっと自分の手を挙げて、「私がやりましょう」と声を上げるのがリーダーです。

それは公衆の前に自らをさらし、結果がうまくいかない場合も含めて、そのリスクやに責任を引き受ける覚悟があり、結果として恥をかいたり損をする可能性も受け入れる、受容度の高い入です。議論をするときに最初に発言する人、大勢が同じ意見を述べている時に異なる意見を発する人も同じです。

伊賀泰代(著) 『採用基準
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さて、この部分を読んでいただいて、大元の課題であるところの、面接で「リーダーシップ」を問われた時に

 リーダーシップを発揮した経験

について、あなたならどう語るでしょうか?
この連載の最初に書いた

 「○○部の部長をしてました」
 「××プロジェクトのリーダーをしてました」

では答えになってないことは明らかですね。

ちょっと長くなってしまったので、次回も「先頭を走る」についてお送りします。



■参考図書 『採用基準


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マッキンゼーの採用マネジャーを12年務めた著者が語る!

マッキンゼーと言えば、ずば抜けて優秀な学生の就職先として思い浮かぶだろう。
そこでは学歴のみならず、地頭のよさが問われると思われがちで、応募する学生は論理的思考やフェルミ推定など学んで試験に挑もうとする。
しかしマッキンゼーの人事採用マネジャーを10年以上務めた著者は、このような見方に対して勘違いだという。
実はマッキンゼーが求める人材は、いまの日本が必要としている人材とまったく同じなのだ。
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採用基準
著者 :伊賀泰代

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●本書を引用した記事
 面接官の質問の真意―リーダーシップを問う
 面接練習をする
 中途面接の印象を良くするコツ:癖を見つける
 面接技術:コスト意識
 問題に着目しない
 転職面接:あなたのこだわっていることを3つ上げてください
 面接不合格の意味
 昇進・昇格面接:共有しました
 中途面接の印象を良くするコツ:動くな!
 頭越しの命令・相談

●このテーマの関連図書

生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

HIGHOUTPUTMANAGEMENT(ハイアウトプットマネジメント)…

超採用力

「使える人材」を見抜く採用面接

この1冊でさらにわかるコンサルティングの基本ベストプラクティス集


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