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サラリーマンの仕事術

給料がちょっとだけあがるような仕事術について

面接質問の真意(リーダーシップ)2:目標を掲げる

採用面接で、大きな配点を持っているスキルにリーダーシップというものがあります。
面接官は直接的には言いませんが、この「リーダーシップ」があるかどうかを、聞き出そうとしていろいろな質問をします。

ところが、あまり満足行く回答をもらったことは多くありません。
回答から推察するに「リーダーという役割」と「リーダーシップの発揮」というものが混同されているように感じます。

そこで、『採用基準』という本にあった「リーダーがなすべき4つのタスク」という章から、リーダーシップについて考えてみたいと思います。


前回ご紹介したように、本書『採用基準』で挙げられているリーダーシップのある人が取るべき行動(タスク)は次のとおりです。

★P116〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

●リーダーがなすべき4つのタスク
リーダーとは、成果を達成する人だと書いてきましたが、では成果を出すためには具体的に何をする必要があるのでしょう。実はリーダーがなすべきことは極めてシンプルで、突き詰めれば次の4つの行為に収束します。

 1.目標を掲げる
 2.先頭を走る
 3.決める
 4.伝える

伊賀泰代(著) 『採用基準
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■目標を掲げる


今回は、この第1番、「目標を掲げる」について、本書を引用していきます。

★P116〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

●目標を掲げる
リーターに求められるのは、チームが目指すべき成果目標を定義することです。

そしてその目標は、メンバーを十分に鼓舞できるものである必要があります。

人がつらい環境の中でも歩き続けられるのは、達成すれば十分に報われる目標が見えているからです。その目標、すなわちゴール―到達点―をわかりや司い言葉で定義し、メンバー全員に理解できる形にしたうえで見せる(共有する)のがリーダーの役割です。

伊賀泰代(著) 『採用基準
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これは、「プレゼン技術」の中の「マインド」や「モチベーションを持たせる」ということと共通するかもしれません。

リーダーはマネージャーと違い、指揮命令権を持ちません(持っている場合はありますが)。つまり、命令ではなくメンバーの意志によって、自分(リーダー)の望む方向に行動を起こして貰う必要があるわけです。

★P120〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

面接で、過去にその人がどんなゴールを設定したことがあるか、と尋ねることがあります。

一度でも自分で目標設定をしたことがあるかどうか、それは十分に高い目標であるか、換言すれば、高いゴールを設定することの意味を理解しているかどうかを聞き出そうとするのです。

「変化に対応寸る力のある人にを求めるという言い方がありますが、リーダーシップ・ポテンシャルの高い人を求めるという趣旨からすれば、変化への対応力が高い人ではなく、むしろ、「変化を起こす力のある人」が求められます。

変わっていく社会に対応する力をもつ人ではなく、社会なり、組織なりを自ら変えられる人という意味です。

対応という言葉には、変化は外部からやってくるもの、という前提があります。
しかしリーダーにとって変化は自分が起こすものであって、外からやってきて対処すべき対象ではありません。

その人の立つつ場所が主体側であるか否かは、決定的に重要です

同様に、目標を誰かから与えられ、それを達成するために働くだけの人はリーダーではありません。リーダーにとって、目標は自分で掲げるものなのです。

伊賀泰代(著) 『採用基準
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■課題を発見し、対策を提議する


面接で「リーダーシップがあるか」を判断するためには、その人がどのような課題を発見し、どのようにそれの解決に取り組んだかを聞くことが良くあります。

その時に、「上司と相談しました」では不十分なことは、上記の説明からお分かりになる通り。

その人が課題を過去にその組織で成し遂げたことがないような目標に変換して、それをどのように主導したかを問うているわけです。
決して、その人が発見したことを上司に解決してもらうことではありませんし、解決案を承認してもらうことでもありません。主語は自分であり、文章は能動形で説明ができないといけないわけですね。



■参考図書 『採用基準



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マッキンゼーの採用マネジャーを12年務めた著者が語る!

マッキンゼーと言えば、ずば抜けて優秀な学生の就職先として思い浮かぶだろう。
そこでは学歴のみならず、地頭のよさが問われると思われがちで、応募する学生は論理的思考やフェルミ推定など学んで試験に挑もうとする。
しかしマッキンゼーの人事採用マネジャーを10年以上務めた著者は、このような見方に対して勘違いだという。
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採用基準
著者 :伊賀泰代

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●本書を引用した記事
 面接官の質問の真意―リーダーシップを問う
 面接不合格の意味
 やりたいこと前編
 キャリアアップって?(キャリアアップのバカヤロー)
 面接質問の真意(リーダーシップ)8:面接官はリーダーシップのレベルをはかりたい
 面接質問の真意(リーダーシップ)7:伝える
 面接質問の真意(リーダーシップ)6:決める2
 面接質問の真意(リーダーシップ)5:決める
 面接質問の真意(リーダーシップ)4:先頭を走る2
 面接質問の真意(リーダーシップ)3:先頭を走る

●このテーマの関連図書

生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

HIGHOUTPUTMANAGEMENT(ハイアウトプットマネジメント)…

超採用力

「使える人材」を見抜く採用面接

クリエイティブ人事個人を伸ばす、チームを活かす(光文社新書)


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