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サラリーマンの仕事術

給料がちょっとだけあがるような仕事術について

会して議せず、議して決せず、決して行わず、行ってその責を取らず

 「会して議せず、議して決せず、決して行わず、行ってその責を取らず

よく「会議の無駄」みたいなテーマでよく言われる、ダメ会議の典型です。

まあ、さすがにこの4役揃い踏みみたいな会議も少ないでしょうが、どれか一つに当てはまる会議というのは、どこの会社にも結構あります。

でもこれ本当にダメ会議でしょうか?

私は案外、そうは思ってなかったりします。

■無駄な会議


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あなたの会社の会議では「なかなか事が決まらない」ということはないでしょうか。

組織が大きくなれば関連部署の数も増え、権限も分散し、結果として責任が分散されてしまいます。それが一因かもしれません。

しかしそれ以上に、利害の対立する課長同士の反目によって会議で決まらず、部長会に上げられ、さらに関係役員会議にかけられ、挙げ旬の果てに差し戻し、といったことも現実としてあるのです。

先達の言葉に「会して議せず、議して決せず、決して行なわず、行なってその責をとらず」という名言があります。

集合しても発言がない、議論は交わされるが意見がまとまらない、会議で決定しても実行されない、会議で決まったことが実行されなくてもその責任を問われない、という意味ですが、会議としても、組織としてもあってはならないことになっています。

しかし、実際には日常的によく見られることです。「個人的には賛成だけど……」「私は、直接の担当ではなかったので……」という言葉もよく聞かれます。

これは、決断力の欠如や責任回避の言動が社内に浸透している、ということではないでしょうか。

行なう前からその責任をとるつもりもないのですから、会議そのものに意味があるのかと疑いたくもなります。

こうした組織、このような会議では、仕事がうまく回るはずがありません。

久恒啓一(著) 『タテの会議 ヨコの会議―時間半減、生産性倍増の実践ノウハウ
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たとえば、ここに書かれている、「会議で決まらず、〜(中略)〜挙げ旬の果てに差し戻し」ような事例でも、実際関係者が納得できなかったから決定できないのであって、それは会議自体の問題ではなく、「提案の内容が現実に悪かったのじゃないの?」と思ってしまいます。


■会して議さない会議


たとえば、上司や役員に進捗状況を報告したり承認を受けたりするような会議では、会して(集まって)も議論することはありません。それが「いい」かどうかの2択を承認権限者がするだけです。

もちろん、質疑応答はあるでしょうが、議論ではありませんね。
さらに、こういう会議では、発表者と承認者以外が発言することは、まずありません。承認者からの質問に対して、発表者が答えられない場合には発言することはありますが、承認者以外から、「それってどうなのよ?」「それはダメだろ」みたいな発言がされること自体が、発表者の準備不足(根回し不足)を露呈しています。

こんな場で議論になったとしたら、発表者の評価は落ちるでしょう。
差し戻しになったとしても、やっぱり評価は落ちるでしょうけど。

■会議の進め方は目的とゴール次第


本書『タテの会議 ヨコの会議―時間半減、生産性倍増の実践ノウハウ』は会議を「どううまく仕切っていくか」について書いた本です。

会議の課題認識として、「こういう認識がある」と示しただけなので、この部分を持って本書の価値を否定するつもりはありません。

というか逆に、私は本書は会議のやり方、目的に照らす上で、非常にいい切り口を与えてくれた本ですので、これから少しづつですが、私の事例とともにご紹介していきたいと思います。

特に、本書の表題にもなっている「タテの会議」と「ヨコの会議」というものがあるという切り口は、目からウロコでした。
これは、会議の目的をどのように捉えるのかという新しい評価軸を与えてくれました。

それが、「会して議さない会議も必要」だろうという考え方につながっています。

会議は、どのような目的でどのようなゴールを設定したのかによって、やり方が変わります。当たり前ですが、異なる目的でやり方が同じということはありません。

ではどのような会議のやり方で進めるのがいいのかは、それこそ何十冊(何百冊?)も本が出版されていますし、Web で検索してみれば何万件もヒットします。千差万別と。

それぞれの目的に合わせて、あるいは会社の環境に合わせてカスタマイズしていかないと、実のある会議にはできませんね。
一つだけやり方を覚えるのではなく色んな種類の会議を意識すると、会議の進め方がうまくなるように思います。



■参考図書 『タテの会議 ヨコの会議―時間半減、生産性倍増の実践ノウハウ



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上司と部下の「タテの会議」と、部門をまたぐ「ヨコの会議」。
――その目的も会議術も異なる。
時間半減、生産性倍増のノウハウが満載!

上司と部下の「タテの会議」の目的は、理解と伝達。
部門をまたぐ「ヨコの会議」の目的は、企画・構想・創造。
「会して議せず、議して決せず、決して行わず、行ってその責めをとらず」といった悪い会議がはびこり、繰り返されています。こうした“悪い会議”の問題点をすべて解決していく強力な一冊です。
「タテの会議」では、上司と部下それぞれの視点から問題を解きほぐし、具体的なアドバイスをします。
一方、「ヨコの会議」では、部門をまたいだ会議の際に生じるトラブルや、上下関係では生まれない、「ヨコ」ならでは悩みを挙げます。部門間での仕事のあり方を取り上げることで、“組織横断的な仕事のあり方”を学んでいきます。
また、始まりつつある「ウェブ時代の会議術」についても触れています。
ファシリテーターから新入社員までの必読書。きっと役立つヒントが見つかります。

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タテの会議 ヨコの会議―時間半減、生産性倍増の実践ノウハウ
著者 :久恒啓一
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●本書を引用した記事
 上司の目線を理解するには財務諸表を見る
 会して議せず、議して決せず、決して行わず、行ってその責を取らず

●このテーマの関連図書

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