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古典・名著のすすめ2―解説本の使い方


前回の記事で「古典は名著をみつけるのに当たり外れの少ない読書法である」とご紹介しましたが、これらの本は言葉の使い方や文章自体が難解なばあいも少なくありません。

これらを凡人が理解するためには、様々な角度から、この本を説明してくれる解説本というのがありがたい存在になります。

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たとえば、オーストリアの精神科医であるフランクルが自らの強制収容所体験を綴って一九四六年に発表した 『夜と霧』 や、フロイトが一九一五年から一九一七年にかけてウィーン大学で一般向けに行った講義内容をまとめた 『精神分析入門』 などがそれにあたります。

そのうち、 『夜と霧』 などはそのまま読めますが、 『精神分析入門』 になると、ちょっと難しくなってきます。また、たとえばドイツの哲学者であるハイデガーの 『存在と時間』 (一九二七年発表)やへーゲルの 『精神現象学』 (一八○七年発表)となると、かなりやっかいでわかりにくいし、厚みもかなりのものになり、それを読んで自分のものにするのはたいへんな作業です。
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まあ、そんなまじめさも悪いことではないでしよう。しかし私は、さすがにそこまでハイデガーにつきあいきれないと感じて、作戦を変更しました。それは、 『存在と時間』 についての解説書を何冊か読んでから『存在と時間』そのものを読む、という方法です。

すると、それまで頭の中に渦巻いていたたくさんの「?」がある程度解消して、「あ、だいたいわかった」という手ごたえがつかめたのです。

そのとき思ったのが、素人がいきなり、断崖絶壁のロッククライミングに挑戦してはいけないということでした。

よく、自分なりに読むことが大切だと言いますが、あまりにも難解なものは、自分なりの読みさえできません。そこでどんなにあがいても時間の無駄になってしまいます。解説してくれる人がいてこそ、なるほどこういうことなのかとわかる本もあるのです。

そんなときは、じたばたしていないで、解説書や翻訳本に助けてもらうべきでしよう。さっさとへソコプターで頂上まで連れていってもらうのです。

G.W.F. ヘーゲル(著) 『精神現象学
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■解説本を読む


解説本については、多様な意見があるみたいです。

 ・先に解説本を読んでおくといい
 ・まず名著を読んでから解説本を読むべき
 ・ハードルはなるべく低くした方がいい

などなど、どれも一理ありますので、自分のスタイルでやればいいと思ってますが、是非やっていただきたいのは、「解説本で満足しない」ということ。
解説本は解説本らしいわかりやすさがあります。噛み砕いて教えてくれるので、スラスラ読んでも大意はつかめます。しかし、原本(原語ではない!)にあたると、やっぱりその奥深さみたいなものに気が付きます。

これが感動になっていくと考えています。

たとえば、7つの習慣などでは

 『まんがでわかる 7つの習慣

みたいに、マンガで分かりやすく説明してくれていますが、やはり情報濃度という意味では、

 『7つの習慣

には圧倒的にかないません。当たり前ですが。

だから、原著に当たるときに、副読本として活用するのが、いいかと思います。

ご参考になれば幸いです。


■参考図書 『精神現象学

本書は、観念論の立場にたって意識から出発し、弁証法によって次々と発展を続けることによって現象の背後にある物自体を認識し、主観と客観が統合された絶対的精神になるまでの過程を段階的に記述したもの。
カントの認識と物自体との不一致という思想を超克し、ドイツ観念論の先行者であるフィヒテ、シェリングも批判した上で、ヘーゲル独自の理論を打ち立てた初めての著書である。難解をもって知られ、多くの哲学者に影響を与えた名著。

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精神現象学
著者 :G.W.F. ヘーゲル
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●関連 Web
 ヘーゲル 『精神現象学』 における疎外論と物象化論 (1)
 ヘーゲル『精神現象学』 「Ⅰ 感覚的確信」について - YouTube
 ヘーゲル「精神現象学」の要約

●本書を引用した記事
 嫌なことがあった時には、難解な本を読む
 ものの見方の10パターン07:弁証法・否定弁証法
 古典・名著のすすめ2―解説本の使い方


●関連図書
 ヘーゲル「精神現象学」入門
 超解読! はじめてのヘーゲル『精神現象学
 純粋理性批判
●このテーマの関連図書

ヘ-ゲル『
精神現象学』入門(講談社選書メチエ)

新しいヘーゲル(講談社現代新書)

超解読!はじめてのヘーゲル『
精神現象学』(講談社現代新書)

歴史哲学講義(上)(岩波文庫)

歴史哲学講義〈下〉(岩波文庫)

完全解読ヘーゲル『
精神現象学』(講談社選書メチエ)




■参考図書 『7つの習慣

全世界3000万部(40カ国語に翻訳)以上の発行部数を誇る、自己啓発書の原典。
著者スティーブン・R・コヴィー博士は、英「エコノミスト」誌によって「世界でもっとも影響力のあるビジネス思想家」として紹介されるなど不動の評価を得ている。

本書では人が真の成功を達成し、永続的な幸福を手に入れるには「原則」に基づいたアプ口ーチが重要であるとし、「私的成功」から「公的成功」へと至るための「7つの習慣」として、
 第一の習慣:主体性を発揮する
 第ニの習慣:目的を持って始める
 第三の習慣:重要事項を優先する
 第四の習慣:Win-Win を考える
 第五の習慣:理解してから理解される
 第六の習慣:相乗効果を発揮する
 第七の習慣:刃を研ぐ
を説いている。




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7つの習慣
著者 :スティーブン・R・コヴィー

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●本書を引用した記事
 新しいシステムには一番協力してほしい人の名前を入れる
 生徒になるな、先生になれ
 定位置を決める
 自炊のコツ
 読書は2度する
 ワークショップを理解する
 記憶術:休み休み、繰り返し
 わかりやすく書くコツ
 一人セミナー
 判断と決断


●関連図書
 
完訳 7つの習慣 人格主義の回復
 
まんがでわかる7つの習慣
 
7つの習慣 演習ノート―ビジネス、プライベート、家庭で、効果的な人生を送るための 成功への原則がよくわかる!
●このテーマの関連図書

CD-ROM付お金の科学~大金持ちになる唯一の方法~

CD‐ROM付図解成功の9ステップ

あなたの夢を現実化させる成功の9ステップ(幻冬舎文庫)




■参考図書 『精神分析入門

精神病の命名と分類に終始していた伝統的精神医学に対し、自由連想の採用という画期的方法によって症状の隠された意味を探る精神分析を創始して、二十世紀文学にも多大な影響を与えたフロイト。本書は、1915年から17年までウィーン大学で一般向けに行われた講義の記録。


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精神分析入門
著者 :ジークムント・フロイト
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●関連 Web
 精神分析入門 - Wikipedia
 精神分析学入門 - システム論アーカイブ雑記編
 フロイト『精神分析入門』第1講 序論 | 山竹伸二の心理学サイト

●本書を引用した記事
 嫌なことがあった時には、難解な本を読む
 古典・名著のすすめ1―古典・名著を探す
 古典・名著のすすめ2―解説本の使い方


●関連図書
 フロイトの精神分析 (図解雑学-絵と文章でわかりやすい!-)
 面白いほどよくわかるフロイトの精神分析
 夢判断(上)
 夢判断(下)
●このテーマの関連図書

精神分析学入門〈2〉(中公クラシックス)

夢解釈〈初版〉上(中公クラシックス)

夢解釈〈初版〉下(中公クラシックス)

夢判断上(新潮文庫フ7-1)

ユング心理学入門―“心理療法”コレクション〈1〉(岩波現代文庫)

精神分析入門(上巻)(新潮文庫)




■参考図書 『大人のための読書の全技術

人の 10 倍速く読み、100 倍深く理解する。最終目的は、「読書スピードを自在にギアチェンジしながら、要約できるレベルで理解する」ようになること。
齋藤メソッドのすべてをこの一冊に詰め込みました。社会人が読んでおくべき 50 冊の必読リスト付き。

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大人のための読書の全技術
著者 :齋藤孝

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●本書を引用した記事
 耳で読む読書術:オーディオブックを活用する
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 本とともに暮らす
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 注釈本の使い方
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 本を書き写す
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●関連図書
 「何から読めばいいか」がわかる 全方位的読書案内
 読書が「知識」と「行動」に変わる本
 読む技術: 成熟した読書人を目指して
 ソーシャル時代のハイブリッド読書術
 読めば読むほど頭がよくなる読書術: 結果を出す人の“インプット”の技術
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●このテーマの関連図書

大人のための会話の全技術

大人のための書く全技術

読書の技法誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門

読書のチカラ(だいわ文庫)

読書力(岩波新書)

「何から読めばいいか」がわかる全方位読書案内


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