忍者ブログ

サラリーマンの仕事術

給料がちょっとだけあがるような仕事術について

アイディアを潰されないための処方箋5:決断力がない上司には責任回避方法を提示する

自分が考えたアイディアを実現しようとしたときに、反対する人がどうしてもいます。前回の記事で、その反対する人を4タイプに分けました。

 1.客観的データしか信じられない論理・分析タイプ
 2.自分の経験外は理解できない固定観念タイプ
 3.当事者意識の欠如した放置プレータイプ
 4.決断力に乏しい保守的責任者タイプ

今回は、「4.決断力に乏しい保守的責任者タイプ」のアイディア攻撃者への対策についてご紹介します。

■仕事の成果は上司次第


仕事を勧めたり、あたらしいアイディアを具体化したりするのに、いちばん重要なのは、上司の協力です。なにしろ、あらゆることは上司の承認なくしてはできませんし、上司が反対していては、他の部門に提案にいっても、「それはそっちの部署の総意ですか?」と聞かれたら返事に困ります。

上司を説得する上で、上司が「××だからダメだ」とはっきりいってくれればありがたい(対策の立てようがある)のですが、「それ、大丈夫なの……? 心配だからやめようよ」みたいに、保守的、懐疑的な人だと、具体的に課題を指摘してくれるわけではないので、対策の立てようがありません。

で、何度かやり取りしているうちに、「あ〜、も〜面倒くさい」になって、提案する気もおきなくなってウヤムヤに…というのが、実際の上司の狙いだったりして。

 「オレが全責任を取ります!」

なんてテレビみたいなセリフを言っても、こういう上司には効きません。上司としては、結局部門としてどう評価されるのかを心配しているので、部下が失敗しようが、自分が失敗しようが同じことです。


■小さく・目立たないように


私の少ない経験から言わせてもらうと、こういう上司には、

 「ちょっと部門内だけでやってみましょうよ」

みたいに、うまく行かなくても、上司の評価には全く影響しない状態を作ってあげると、わりあいすんなり認めてくれます。

つまり、アイディアはなるべく小さくして、数人が片手間でできる程度の大きさにしてしまうことです。


★〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

●決断力に乏しい保守的責任者タイブには、撤退オプション付きで承認をもらう
すぐに実行でき、新たなコストがかからないような提案であれば別ですが、社内のリソース(人的資本、金融資本、時間)をかけて大きな勝負に出るのは、なかなか勇気のいるものです。

オーナー企業であればいざ知らず、大きな決断は事なかれ主義の上司には辛いでしよう。

そうした決断力が不足している状態においては、提案の中にフィジビリティ・スタディ(実施前に実行可能性を検討するために行う試験販売やマーケット調査)や撤退オプションを入れておくことです。

すぐに実行に移すのはリスクが大きいため、まずは調査してみましよう、というのがフィジビリティ・スタディですが、定量的なマーケット調査では自黒つかない場合も多いので、一番良いのは「エリア」「分野」「部署」などを限定して、一部の人員でテスト的に実行してみることです。

そうすれば、その成果を元に制限を解除していき、本提案を実行することもできますし、万一かんばしい結果が出なくても貴重な反省材料を手に人れることができます。

会議のテープルに並んだエクセルデータだけではアイデアのパワーは推し量ることができません。

また、いきなり本番に移行する場合でも、撤退オプションをつけておくことで、 上層部が決裁しやすくなるということもあります。

これは、ターゲットとなる数値に達しない場合、それを解決する明確な方法が見つからない場合は、一旦、撤退するというような条件を入れておくことです。そうすれば、リスクは最小限で収まるので、同意を得やすいでしよう。

永田豊志(著) 『発想フレームワーク55
―――――――――――――――――――――★


■タスクを極限まで小さくする


たとえば、

 みんなが効率的にタスクがこなせるようにタスク管理ツールを導入しよう

と言ったとしても、全社導入になれば、会社の規模にもよりますが数百〜数千万のコストがかかります。そのパイロットプロジェクトをやるとしても、いろんな部門の人の意見を聞くためには、各部門にテスト導入の了承を得なければいけないわけです。

もし、それがうまく行かなかったら、「ITの専門部門でもないのにでしゃばりやがって…」と自分の悪口を言う、他の部門長の声が、その上司にはありありと聞こえるわけです。

そうなれば、もう認めてもらえることはないので、

最初は、

 EXCEL でタスクの管理ができるようなシートを作ってみました
 私の週次報告はこれをベースに報告していいですか?

と聞くわけです。

これなら、うまく行かなくても「やっぱりやめろ」というのは一瞬で済みますし、他の部門長や、自分の上司に知られることはありません。

■未来をプレゼンしては不安を煽るだけ


このとき注意しないといけないのは、「最終的にはこうしたい」というのを、ある一定の期間は上司には言わないようにしておくこと。

上司が「やれる」と確信する状態になるまでは、事実だけを積み上げていくことに集中することです。事実が積み上がって、ある程度実績になってしまい、上司もそれの必要性と実現性を認めてくれれば、穏やかにではありますが賛成してくれるようになります。

そのあとは自分の頑張り次第。


■参考図書 『発想フレームワーク55



立ち読みできます立ち読み可
本書は、ビジネスパーソンにとって、これからの時代のもっとも重要な知的ウェポンとなるクリエイティビティを磨くための発想力、アイデアを生み出すためのフレームークを提供するものである。
ロジカルシンキングや地頭力はもちろん重要だ。しかしそうした「左脳型発想術」だけでは、改善はできても大きな成果は望めない。八方ふさがり状態であってもブレイクスルーを起こし、大成功を引き寄せるには、前例や従来の固定観念をくつがえす「右脳型発想術=第六感発想術」が必要だ。
従来のアイデア生成の本は広告関連など元々クリエイティブな仕事をしている人向けが多数だった。そのため、アイデアづくりが日常業務となる専門職以外の読者にとっては、もっと短時間で実務に使えるアイデア発想方法が切望されてきた。
本書は、一般のビジネスマンやOL、経営者や勉強に熱心な読者に対して、フレームワークを駆使した「短時間」で「最大の成果」を生むためのアイデア作成方法を解説する。


◆アマゾンで見る◆ ◆楽天で見る◆ ◆DMMで見る◆

発想フレームワーク55
著者 :永田豊志

発想フレームワーク55
検索 :最安値検索

発想フレームワーク55
検索 :商品検索する



●本書を引用した記事
 図解トレーニングで反射神経が鍛えられる
 NM法を使う実例
 課題は5W2Hで分解する
 フェニックスチェックリスト:適切な質問は発想力を刺激する
 Googleで翻訳する
 アイディアを潰されないための処方箋5:決断力がない上司には責任回避方法を提示する
 ジョークのなかに本音がある
 発想法:連想の4法則
 ものごとは考える以上にシンプルだ、と考える
 発想法:マインドマップ発想法

●このテーマの関連図書

知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100

すべての勉強は、「図」!でうまくいく:今までの10倍「記憶力」「思考力」が強くなる

人生の大問題を図解する!

プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術

BQ〜次代を生き抜く新しい能力〜

戦略フレームワークの思考法


■関連する記事

アイディアを潰されないための処方箋5:決断力がない上司には責任回避方法を提示する

自分が考えたアイディアを実現しようとしたときに、反対する人がどうしてもいます。前回の記事で、その反対する人を4タイプに分けました。1.客観的データしか信じられない論理・分析タイプ2.自分の経験外は理解できない固定観念タイプ3.当事者意識の欠如した放置プレータイプ4.決断力に乏しい保守的責任者タイプ今回は、「4.決断力に乏しい保守的責任者タイプ」のアイディア攻撃者への対策についてご紹介します。仕事の成果は上司..

■同じテーマの記事

矛盾す複数の問題を一気に解決する「インクルージョン思考」

表題の「インクルージョン思考」というのは、問題がいくつもあって、それらの問題を一気に解決してしまうような、「おぉ、その手があったか!」というアイディアを出すための考え方。ドラマやアニメなどを見ていると、最初の方で色々な問題が次々と発生して、主人公がにっちもさっちもいかない状態に追い込まれることがあります。それを後半に、ある一つのことをやることで一気に解決して大団円、というストーリがよくあります。あのアイディアはどうやって思いつい..

嫌なことは、「もし気分がよかったら」で切り替える

ストレスに対処する方法として「ポジティブシンキング」が挙げられますが、考え方というのは、そうそう簡単には変わりません。別のアプローチで受ける印象を変える方法を紹介します。思考を変えずに状態を変えるそこで一つの方法として「もし、自分がもっと心地よい状態にあったとしたら、どう感じるだろうか」と考えてみます。ポジティブ・シンキングをするのではなく、「過去に自分が心地よい状態であ..

通勤どこでも仕事術:毎日5分だけ勉強確保できる確実な方法

何かを初めて勉強しようと思ったら、まとめて時間を取らないとなかなか難しいですが、ある程度基礎勉強が済んで継続的に知識を深くしていくのであれば、毎日少しづつ勉強することが適しています。毎日5分だけ勉強しようところが、この「毎日少しの時間だけ××に当てる」というルーチンはなかなか成立しません。短時間というハードルの低さと、少しづつという成果の見えにくさから、つい「後でいいや」になってしまって、その「後で」が最後まで来な..

引用付き貼り付けをAutoHotKeyで実装する

メールに返信するときに、全文引用をしてますか?それとも返事の必要な部分だけ引用して、その下にコメントを書いてますか?こういうときに、必要な部分をコピーして、メールの上の方でペースト、さらにそれに引用符を付けて…、って面倒くさいですよね。メールの返信で引用符をつける昔は、全文引用はマナー違反とか言われてまして、返信ボタンを押すと、全文に引用符 ">" が自動でつくようにして、いらない部分を消して、コメントを書いてました。..

「組織は戦略に従う」が「技術は戦略をくつがえす」

ちょっとビジネス書といえるかどうか微妙ですが、個人的にとっても面白かった本をご紹介します。アルフレッド・D・チャンドラーが『組織は戦略に従う』を発表したのは今から半世紀近く前ですが、これは未だに真理として使われることが多いようです。このほか、「戦略は組織に従う」とかいろいろな派生バージョンがあるようで、この本も「ビジネス書」の分類で、マネジメントの一種としての技術開発についてだと思って読んだら、意外や意外。こ難しい理屈抜きに楽し..

PR