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サラリーマンの仕事術

給料がちょっとだけあがるような仕事術について

学習する組織:「学習する組織」に最終目的地や最終的な状態はない


巨人たちのお言葉シリーズをお送りします。

本日の巨人 : ピーター・M・センゲ
本日のお言葉: 「学習する組織」に最終目的地や最終的な状態はない
お言葉の出典: 『学習する組織

「学習する組織」とは何か?に先立って、本書『学習する組織』で著者ピーター・M・センゲが強調しているのが、この言葉です。


★P31〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

学習する組織を築くうえで、最終目的地や最終的な状態はない。終生旅が続くのみである。

「この取り組みには多くの忍耐が必要です」とグローバルな NGO (非政府組織)の代表が語る。

「けれども、メンバーが本当の意味で成長していますから、手にする結果はより持続可能なものになるでしょう。また、この取り組みは人に継続的な旅に向けての覚悟をさせてくれます。学ぶにつれ、成長するにつれ、よりンステム的な課題に取り組むにつれ、難易度が高まっていきます」

ピーター・M・センゲ(著) 『学習する組織
―――――――――――――――――――――★


NGO の代表の言葉を借りていますが、ピーター・M・センゲ自身の言葉として受け取っています。

たとえば品質を考えてみると、毎年「良品率 99.9%」などと目標を立てますよね。

多くのマネジメントに関する書籍は、必ずと行っていいほど「測定可能な目標を数字で表しなさい」と書いてあります。
それに従えば、この「良品率 99.9%」は適切な目標です(数字が適切かどうかは別として…)。

しかし、ピーター・M・センゲは本書『学習する組織』の中で、目標数値に関することは全く言っていません。

たとえば、「ダイアローグ」について、「会話率 95%」などは本書の目的にはないわけです。
本書の中で、デミングの言葉を引用して「大事なことのうち測ることができるのはたった三%である」とも述べています。

逆にいえば、永久に到達不可能な目標を言っているとも言えます。

「完成形がなく、組織は常に改善課題がある」と言っているのだから。
そして正しい組織などないとも。

正解もなく、ゴールもない。ただし、理想は個人個人、あるいは組織にはある

ここらへんが「学習する組織」の一言で言えない難しさがあります。

しかし考えてみれば、あらゆる製品は、常に改善され続けていますし、会社も常に変化し続けています。
たとえば、「ウォークマン」も変化(進化?)し続けましたね。いまはスマホに吸収されてしまいましたが。

ゴールと考えた時点で、「それ」は終わりなのでしょう。




■参考図書 『学習する組織

「学習する組織」とは、組織の進化をシステム思考をベースに5つの原則(Five Deciprines)にまとめたもの。組織的学習と組織のあり方の集大成といえる一冊。自分の部下を持ったらまず最初に読むべき本の一冊。

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学習する組織
著者 :ピーター・M・センゲ
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●本書を引用した記事
 社長は君のどこを見て評価を決めているのか2
 努力と成果は比例しない。その1
 付加価値を意識する
 魚の目―フローを見る力4:貯めと開放、3つの力を活用する
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 学習する組織:「1.システム思考」の考え方の基本
 魚の目―フローを見る力3:慣性の視点
 多重人格者になる
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●このテーマの関連図書

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