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サラリーマンの仕事術

給料がちょっとだけあがるような仕事術について

ポストモダンの時代


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今日にいたるも、モダン(近代合理主義)は、政治から科学にいたる諸々のものに言葉を与えつづけている。しかし、政治、理念、心情、理論にかかわるモダンのスローガンは、もはや対立の種とはなっても行動のための絆とはならない。われわれの行動自体すでにモダンではなく、ポストモダン(脱近代合理主義)の現実によって評価されるにいたっている。にもかかわらず、われわれはこの新しい現実についての理論、コンセプト、スローガン、知識を持ち合わせていない

P・F・ドラッガー  『テクノロジストの条件
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すでに起こったことの延長が明日の現実になる時代は終わりつつあります。
ドラッガーがこのことを書いたのは1950年台でした。

社会全体が複雑に絡み合い、複雑な意思決定の元で複雑なオペレーションを要求されます。
すべてが合理的に予測できなくなってしまって久しいという感じがします。

かと言って、それが起きるまで待っていては競争にはなりません。

すでに起きてしまったことから何らかの学びを得て、それに対して素早くアクションを起こすことができる人だけが上位者として生き残り、それ以外の人は、彼らについていくことだけを強要されます。

いかにすでに起こったことからどのようにして意思決定をするか。
それは以下のツール(方法)が必要です。


◆見る、そして聞く


 あらゆるものを変化するものとして、全体を観察する。さらに他の人の観察と比較し、より自分の観察を強化することです。

◆わかったものを使う


 複雑でわかりにくいからこそ、わかったものは十分に使わないといけません。
 わかったものは重要な示唆を含んでいます。現実を注意深く観察することで、これから起きることの手がかりを得ることが肝要です。

◆基本と原則を使う


 自分自身の行動に、基本と原則を常に適用しましょう。
 それがされないとあなたは周囲から軽んじられることになります。
 しかし、それにこだわってはいけません。常に基本と原則を見直しをしていないと、どんどん変化していく周囲に遅れを取ることになります。
 基本と原則は常に持っていないといけませんが、固定してはいけません。

◆欠けたものを探す


 あなたの考えは常に欠けています。欠点を持っているのです。
 「完璧」はありえない。欠けたものを補うために常に課題を探してください。

◆陳腐化させるな


 世の中に出た瞬間から、陳腐化が始まっています。
 知識についても、能力についても同じです。学んだ瞬間から陳腐化していきます。
 みずから先手を打ってその陳腐化に対抗していかなければ、成功は過去のものになります。
 あなたの最高傑作は常に「これからやること」なのです。

◆仕掛けを作る


 すべての行為に対して、仕掛けが必要です。
 「うまく行ったこと」には理由があります。「うまく行かなかったこと」にも理由があります。
 その理由を

  次には自分の意思で生み出せるようにすること

 これが仕掛けです。

◆モダンを使う


 ポストモダンの時代であっても、過去の成功法則が否定されたわけではありません。
 時代が変わっても過去の法則は生きています。
 それを「いつ」「どのように」適用するかが複雑な条件になっただけです。

 あたらしい法則を見つけること以上に、適用できるシチュエーションを探すことに力を使いましょう。
 より簡単に成果が出せるようになります。



■参考図書 『テクノロジストの条件


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技術が文明に果たしてきた役割とその可能性、さらにイノベーションの方法論を説く。ドラッカーの技術マネジメント論の精髄。

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テクノロジストの条件
著者 :P.F.ドラッカー

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プロフェッショナルの条件――いかに成果をあげ、成長するか(はじめて読む…

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