どうも、私がよほどデキがわるいのか……?
■説得ができないことの意味
まず、相手が納得できないことの意味を冷静に、深く考えることが必要です。
双方か、どちらかが、仕事の経験や知識、情報などが足りないか、あるいはそもそも、話し合う意志や考えが何らかの理由で希薄であることなどが考えられます。ここらへんは別記事で書きましたので詳しくは省略。
いずれにしても、こうした相手の事情や考え方をふまえずに、「自分に非があったんじゃないか」「自分の説得力が足らないのではないか」などと自分を追い詰める必要性はないと考えています。
そもそも、問題というのは、2つの事象がひとつのものをコントロールしようとしたときに起きるものです。
詳しくは過去記事
なぜなぜ分析2:原因は一直線ではない
を参照していただきたいですが、説得について言えば、自分だけが結論を出そうとしていて、あいてがその結論になんら興味・関心が無いときには、合意不成立にはなりません。あいてに何らかのその結論に意思があるから合意ができないんです。
つまり、合意ができないのは、自分だけに問題があるわけではなくて、相手にも問題があって、両方がかち合ったから今の結果があるわけです。
言い換えると、必要以上に相手に気を使ったり、自分を責めたりする必要はないということです。
もともと相手は、あなたと話し合う考えなどないかもしれないのですから。
■あきらめる
世間一般の価値観としては、「
相手と粘り強く話し合うことが大切」と思われています。私も、そのことに異論はありません。だからこそ面接などでは、「粘り強く説得した」というわけですから。
ただし、これがあらゆる場においても通用する考えとは言い難いです。
お金やそれに絡む欲などがあるのがビジネスである以上、メリットのない相手と根気よく話し合うことは、その投資対効果を減衰させるものでしかありません。
これは、職場における上司と部下の関係にもいえます。
例えば、自分の意に逆らい続ける部下がいるならば、どこかのタイミングで上司は、その部下を心の中で遠ざけるようになります。
「あいつはほっとけ」
そういう判断をするということです。そして、会話をしようとする意欲自体もなくなります。
ある程度経験を積んだ人には当たり前のように見えますが、意識が若い人は、どうもこうした「
建前としての話し合いや説得」に洗脳(希望)されている場合もあって、「ちゃんと話し合って納得してもらわなくちゃ」と自分を追い込んでしまう人もいるみたいです。
■話し合いは相手を言い負かすこと
説得・話し合いをするということは、部分的にかもしれませんが、
相手の考えや意見などを否定することです。それまでその人がやらなかったことを「やれ」というのですから。
それには細心の注意を払うべきなのですが、本当にそれを意識している人はどのくらいいるのでしょうか。
つまり、相手に打ち負かされたという意識を持つ可能性がある行為である以上、逆説的だが「話し合う」「説得する」べきではない相手はいるということです。
タイミングや場所、状況がそぐわない場合もあります。
「
話し合うことが大切」と何度も教えられている人は、無批判にその教えに従いがちなのですが、
本当にそれが大切なのかについて思い致す必要があるのではないかと。
私の経験をもとにあえてドライな言い方をすれば、
話し合ってはいけない人はいます。
広い視野で考えると、そのほうが双方にとってプラスになることもあるわけです。
かなり暴論なのかもしれませんが。
■話し合いは不要
例えば、自分に害意を持っている、あるいは認めようとしない上司や先輩に気を使い、
無理に話し合う必要などないということです。敬意を何ら払わない後輩と深く会話をする必要はない、と考えます。
同じ職場にいて口すらきかないのは問題がありますし、仕事が滞るのもダメです。ですが、「この人とは会話ができない」と思うならば、それを心に秘めて、必要最低限度の通達だけしておけば十分なのかもしれません。
ビジネス書やビジネス雑誌などに目を通すと、「上司や周囲の社員との良好な関係づくり」などの記事をよく見かけます。ビジネス関連のWebなどを見ていても、コミュニケーションについて述べた記事は少なからずあります。
それはそれである意味「重要な意識すべきこと」なのかもしれませんが、それを
信奉する必要はないと考えます。
建前として「話し合いでちゃんと納得してもらう」ということは重要です。ただ、それ一択というのでは多分、体や心がもちません。
嫌だと感じるような人と一生懸命、誠心誠意会話をする必要もない、ということを表面に出さずに持っていてもいいのではないかと考えたりする今日このごろだったりします。
その人が説得できなければ、それ以外のやり方がたくさんあるのですから。別の道を考えましょう。
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