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サラリーマンの仕事術

給料がちょっとだけあがるような仕事術について

転職面接のベストアンサーは募集要項に書いてある


転職や昇進・昇格の面接技術で、「○○○の質問の答え方」というサイトや書籍は少なくありません。私も過去に

 面接のベストアンサー
 転職面接:グレート逆質問
 昇進面接質問のブレークダウンhttp://sarahin.seesaa.net/article/367932209.html>>
 面接質問「どんな貢献ができますか?」

など色々書きましたが、それは私が面接した中での話で、誰にでも通用するものではないように思っています。

面接官として、ネットに書いてあるようなセリフは基本的にはすでにチェックしています。
したがって、模範解答の丸写しのような回答をされると、「ふんふん…」などと聞いてますが、内心は「またかよ…」と感じる時もあります。

では、どのような答えが面接官の希望なのかというと、「自分の会社や部署、【応募者に期待する仕事」において、「成果が出せる」と思わせるような答えですね。

そんなものは実際千差万別なので、一概に言えるわけはありません。だから、ネットや書籍では、それらのどれにでも当てはまるような書き方がしてあります。
でも、「どれにでも当てはまる」というのは、「全てにぴったり当てはまらない」ということです。

求めているのは、この「ぴったり当てはまる」質問への回答です。


■ぴったり当てはまる回答


実はこれ、正解が書いてあるものがあります。

どこに答えが書いてあるかというと、

 募集要項

です。

たとえば、今ちょっとネットでググって最初に出てきた募集要項は

★――――――――――――――――――――――――――
リクルートグループが提供するWebサービスの設計・開発。
人生選択の支援・日常の選択の支援を目的としたWebサービスが特徴的です。

具体的には
 新Webサービスの企画、プロジェクトマネジメント
 Webアプリケーション設計・開発・運用
 業務量が多いなどの量的な要求よりも開発速度や品質・視点の広さなどの質的な要求に応える場面が多いのが特徴。
 特に仕事に対して自分なりのバリューを付与できるかが重要です。

ゆくゆくは技術的な視点や新しい発想で企画し、社内外関係者に提案することで、収益を上げていく活躍に期待します。

※URLは省略します
――――――――――――――――――――――――――★


と書いてあります。

つまり、こういうことです。

 あなた(応募者)にとっての「人生選択の支援・日常の選択の支援を目的としたWebサービス」とは何か。
 それをあなたは実現する力があるか

が語れれば、採用面接官としては「自分の求めていた答えにピッタリ」だと感じるわけです。

それを

 「前職では、会社広報の Web の開発をしてました」

と言っても、「人生選択の支援」ができるのかどうか、「その支援を目的としたWebシステム」を開発できるのかどうかはわからないんです。

結果、勢いとして、その人の雰囲気など曖昧なものでしか評価できなくて、曖昧なものは不安なので不合格にするという結果になります。

■募集要項は読んでいるか


私が過去に面接した人の中で、この募集要項に書いてあることを「本当に読んできている人」は、感覚的にはごく少数でした。

当然、見てはいますよ。でも「本当に読んでいる」というのは、その意味するものが、具体的にわかっているかということです。

たとえば、上記で言えば、

 「Webサービスの企画」
 「プロジェクトマネジメント」
 「開発速度」
 「視点の広さ」

とは、あなたにとって何なのかが徹底的に考えないといけないです。
※以前ご紹介したとおり「考える」というのは、頭のなかでこねくり回すことではありません。
※  考える技術

せめて、これらの1単語、1単語について1時間や2時間は語れるようになっていただきたいですね。
理論理屈ではなく、あなたの経験に基づいて、その言葉の意味と、その意味付けにおけるあなたの行動について。

そのエッセンスをぎゅ〜っと圧縮・濃縮して、10秒で語れば、それがその会社に対してのベストアンサーになります。

少なくとも、面接官はその仕事を10年も20年もやってきた人なんです。

つまり、面接官にしてみたら、「Webサービスの企画」とは何をすることかは、10年分は語れるわけです。その人に、「お、こいつなかなかやるな」と思わせるだけの濃縮されたセリフがいえれば、面接官はマルをつけますよ。

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