■便利屋と役に立つやつの違い
中間管理職サラリーマンとして、受けの立場と下の立場を使い分けることをし始めて「はや幾星霜」なのですが、だんだんこの2つの違いがわかってきました。
上司から見ると、「便利屋」は使い捨ての存在で、「役に立つやつ」は自分を支えてくれる存在です。
仕事を色々ふるのは両者ともに共通しているのですが、「役に立つやつ」は上司から一目置かれてます。
同じように上司の命令をこなしてくれても、便利屋はその成果を上司はすぐに忘れてしまいますが、役に立つやつは期末評価で必ずプラス評価されます。
「どうしてこういうことになるかな?」
と過去に自分がやってきたことを振り返ったり、自分が今感じている両者の行動の違いを見比べるといくつかの相違がありました。
もっとも大きな違いは
・上司の命令通りのことをするか、命令以上のことをするか
・上司の判断基準に基づいて、依頼を断ることができるか
の2つ。
■命令の期待を超える
もし、上司が「○○までに△△をやってくれ」と命令したとしたら、その目的としているのは、△△を使って上司が出したい結果が出ることです。△△の行動や結果自体には上司は大して興味が無いんですよ。
「この前の協力会社への出張の報告書を出してくれ」
と上司から支持があったとしましょう。もうすでに口頭では報告しているのに、わざわざ文章にする理由をよく考えてみることです。
もしかしたら、上司の上司にその協力会社の技術力についてどのような課題があるかを報告したいのかもしれません。あるいは、その協力会社との取引をもっと拡大したくて参考情報として提示したいのかもしれません。あるいは今回問題になった品質問題が完全解決したことを報告したいのかもしれません。
ここはひとつ必死に状況を呼んで、どの様なストーリーでまとめればいいかを考えましょう。
そして、
「こういうストーリーでまとめようと思いますがいかがでしょうか?」
と上司に確認することです。
それを、
●●月○○日
10:00 △△社到着
10:10 △△社□□氏と面談
11:00 現場見学
15:00 ラップアップ
17:00 △△社退社
★ 宿題事項
★ ………………(私)
★ ………………(□□氏)
なんていうメールを上司に返して仕事終わり、だったら指示されたことはちゃんとやったけど、ただそれだけのことですよね。
これでは印象に残るわけがありませんね。忘れるどころか「使えないやつ」と思われるかも(さすがにここまでのレベルの人はあまりいませんが)。
今の部下には「はい。分かりました」と言っておいて、いつまでたっても報告がないので、「どうなった?」と聞くと「すみません、忙しくて手がつけてありません」というヤカラもいますので、上司としては気が抜けない。そういう人を「役に立つやつ」と思うことは絶対にありませんが、便利屋ですらないので今回は除外。
■上司の依頼でも断る
自分の体験的にも不思議なのですが、「できません」と依頼を断る人を、上司は実はあまり否定的に捉えません。
しょっちゅう断られれば、「こいつ仕事とはオレの命令だとわかってないのか?」とか思うのかもしれませんが、以下の様な正当な断り方をする人は、「なかなかできるやつ」と帰って評価することがあります。それは…
「○○社への見積の期限が本日夕方で、いまどうしても手が離せません。申し訳ありませんが、明日でもよろしいでしょうか?」
ここで断る理由になっている部分は、上司が重要と認知している業務でなければいけません。「そんな仕事をしてたんだ」みたいな重要度の仕事だったら「オレの命令が優先だ!」とかいうことになるのですが、重要と認知していれば、「そうか。分かった」で終わります。
もちろん、今頼みたいことをちゃんと聞いてから、上司がどちらを重要視しているかを判断してからのことですが。
上司が思いつきも含めて、年間計画にない細々と出してくる仕事は分類で言うと「充足欲求」に含まれるものが少なくありません。
つまり、上司としてのステータスの確認と(ちょっと)行き当たりばったりの重要度判断に基づくものがあります。
そのため、ある一定水準が満たされていれば、それ以上にやっても実は満足度は上がらないんです。
ひとつでも断ると心象を悪くするのではないかと思う人がいますが、実は断られたら断られたで他の人に振るか一定時間寝かせておくうちになくなってしまう要望もあるということです。
だから実際断られたとしても「あ、そう」で済んじゃうことがママあるんですね。
そのタイミングを見逃さないことです。
逆に上司が重要と思っている要求をした時には、全力・最優先でやることです。それで上司の満足度は上がります。
■期待を超え、時々断る
同僚からの依頼でも、上司からの依頼でも同じですが
・相手の要求以上のことをする
・上司の判断基準に基づいて、依頼を断ることができる
の2つをすることで、便利屋ではない仕事にいろいろ役立つ人という印象を付けられると考えてます。
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