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サラリーマンの仕事術

給料がちょっとだけあがるような仕事術について

合理的に交渉する仕組みを作るためのチェックリスト


何かを交渉するときに、事前準備は必ず必要です。
これをせずに、交渉や話し合いに入ると、あとで振り返ったときに苦い思い出になります。

頭のなかで考えるだけというのもダメ。
頭のなかで考えたことっていうのはとっても曖昧でぼんやりしてます。それを書き出して、短い単語に直して、それをもう一度見て本当に納得できることなのかどうかを考えておく必要があります。

交渉上手と言われる人は、結構これをやっているみたいです。
というか、私の知る中で仕事ができる人って、結構目標やら目的やらを端的に表す言葉を持っていて、目標がずれそうなときや、話し合いでいい結果が出そうにないときに、これをズバッということができる人が多いですね。そういうのを明確にするためには、頭で思っていると都度表現が変わっちゃうのでちゃんと書かないとダメなんですよ(特に凡人は)。

■交渉のためのチェックリスト


交渉をするときに、こちらの言い分をちゃんと論理構造としてまとめることも重要なのですが、所詮自分の都合に合わせた論理なので、論破されることもありますし、ほころぶことも少なくありません。

そのときにどこまで譲歩するか、なにを相手に渡してもいいかの線引が必要になります。
これをはっきりさせておかないと、ずるずると譲歩したりして、交渉の失敗につながりかねません。

必須の3つの項目はおさえておきたいですね。


★P234〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

●合理的に交渉する仕組みを作るための質問

交渉において合理的に考えるための重要なステップを忘れないでいただきたい。

三つの最も重要なステップはそれぞれ、あらゆる交渉の前に自問すべきポイントを示唆している。

・自分のボトムラインはどこか?
 どんな交渉でも、開始する前に自分の BATNA (交渉で合意が成立しない場合の最善の案)を考え、自分の譲れぬラインをしっかり認識しなければならない。
 さらに、交渉の前にオプションを準備して、自分のボトムラインをどうしたら改良できるかを常に考えなければならない。

・自分の利益は何か?
 自分の立場の基本となる利益を認識し、そうした利益の内容をできうるかぎり理解し、それらの確認にはできるだけ包括的な姿勢でいなければならない。

・各々の交渉案件は、比較してみると自分にとってどれくらい重要なのか?
 諸案件の相対的な重要度を理解していなければ、連帯利益を生みだすトレード・オフの作成を体系的に考えることはできない。

こうした問いかけは、相手について考えるときにも重要である。

相手が合理的であっても非合理的であっても、かれらのボトムライン、利益、諸案件の相対的重要度を検討する必要がある。

これらの問いに対する回答は、相手に関して必要な情報が何なのかを教えてくれるだろう。

相手のボトムラインを知ることは、交渉の分配的次元を分析するためのバーゲニング・ゾーンを確認するのに必要である。

利益と相手にとっての諸案件の相対的重要性を考えることも、最適なトレード・オフの明確化を助けてくれる。

もうこれ以上は譲れない、交渉はもうできないといって相手が脅してきたら?

あるいは相手があからさまに無理な要求をしてきたらどうだろう?

エグゼクティブは現実の交渉でよくこのような障壁にぶつかる。

多くの人は、素早い直感的な判断で対応する。

つまり相手に屈服するか、交渉の席を蹴るか、のどちらかになる。

しかし、合理的に交渉するためのステップを踏むことで、相手を理解できるようになり、そうした状況でもこちらの利益を最大にするような戦略を組み立てられるようになる。

マックス H・ベイザーマン(著) 『マネージャーのための交渉の認知心理学―戦略的思考の処方箋
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私は、本書に書いてあることをとっても簡単にまとめてしまって

 ・目標・目的
 ・譲歩限界
 ・BATNA

ってまとめてます。

まず、これをノートに書き出して、その上で最大限の自分の得になることに導くための背景やら事実、それをどのように論理的に組み上げて目標に達するのかを書いてから交渉に臨むようにしています。

もちろん、普段からそんな厳しい交渉がいつもあるわけではなく、たまにしかなく、たいていは相手もこっちを慮ってくれて、交渉が成立する場合が多いです。

それでも相手がこっちの利益を最小化することを目的としていると仮定して書き出したりしてます。普段から使っていないと錆びつきますから。



■参考図書 『マネージャーのための交渉の認知心理学―戦略的思考の処方箋

優れた交渉力はビジネスの成功には必須のスキルである。
認知心理学は交渉におけるネゴシエーションの基本となる学問であり、その現実への応用方法を紹介する。
例:1.アンカーリング(係留効果)
  2.Foot in the door
  3.Door in the face
  4.フレーミング
  5.トレードオフ戦略
  6.勝者の呪縛
本書では交渉におけるシチュエーションとして、1対1の交渉だけでなく、現実に起こりうる多数の利害が絡む交渉についても、認知心理学に基づいた戦略を提示する。

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マネージャーのための交渉の認知心理学―戦略的思考の処方箋
著者 :マックス H・ベイザーマン
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●本書を引用した記事
 合理的に交渉する仕組みを作るための質問
 複数の仕事を並行して進めるための必須作業
 交渉の認知心理学:交渉の一般的なミスを避ける自問
 献立とレシピ
 社会的ジレンマ
 マイレージプログラムで航空会社は利益を得るのか?
 新しい技術、プロセスについて試してみる
 結果の成否を検討せずにコミットメントしてはいけない
 合理的に交渉する仕組みを作るためのチェックリスト
 交渉の認知心理学:社会的ジレンマ

●このテーマの関連図書

ハーバード×MIT流世界最強の交渉術---信頼関係を壊さずに最大の成果を得…

「話し合い」の技術―交渉と紛争解決のデザイン

サプライ・チェインの設計と管理―コンセプト・戦略・事例

マーケティング(NewLiberalArtsSelection)

サービス・イノベーション--価値共創と新技術導入

戦略評価の経営学―戦略の実行を支える業績評価と会計システム


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