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サラリーマンの仕事術

給料がちょっとだけあがるような仕事術について

上司の判断が気に入らないときの対応方針

何かをやろうとして、上司に判断を仰ぎにいくのは、組織としてはどうしても必要になります。
その上司の判断が期待した答えになってくれない場合も結構経験された方も多いのでは。

A,B,C 3択にして、自分としては A 案をやりたいのに、上司は C だと言ってくる。下手をすると、思いもよらなかった F 案なんてのを出してくるような場合もありますし、「A,B,C があるなら全部やってみろ」とか無理難題を言われることも。

もちろん、それを A 案に誘導するテクニックもあるのですが、それは別の記事に譲って、この記事ではどういう対応方針で臨めばいいかについて考えてみたいと思います。

■上司の判断は絶対


まず最初に認識しておかないといけないのは、「担当である自分がその課題に最も詳しいし、経験もある」と思っていても、「何をマヌケなことを…」とか「こいつ使えね~」とか思わないようにしないといけません。

私などはとくにそうなのですが、思ったことは顔や態度に出ます。そして、上司というのは部下のそういうところにすごく敏感な人が多いです。鈍感でかつパラノイアみたいな人がいることは否定しませんが…

なので、「こいつ……」と思いそうになったら、「いかん、いかん。}上司の決定は神の言葉}」って打ち消すように。
顔に出ちゃわないように。

最終的に部下の仕事の指揮命令権は上司にあります。
上司の決定を部下が勝手に覆しちゃうと組織としては成り立ちません。

もちろん、違法なことや会社としてのポリシーに反するような命令を聞く必要はありませんが、それ以外は「上司の判断は絶対」って受け取るのが、まあサラリーマンの勤め。


■部下の説明が間違っている


「上司の判断」を絶対としたときに取るべき対応で最もいいと思っているのは、こちら。

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一方、相談後に上司からもらうコメントや判断が、自分の意見と合わないことがあります。また、行き違いがあって、部下にとってみればトンチンカンに思える判断を下されてしまうことがあります。
 :
 :(中略)
 :
この肯定的というのは、その判断にしたがうということではありません。

 「なるほど、その判断は気づきませんでしたねー」

と受け人れてあげるだけでいいのです。

そうして、相手の判断をいったん持ち上げたうえで、「部長、ひょっとすると私の説明不足で重要なことがお伝えできていないかもしれません。それは・・・」と言って、再度議論に引き戻すのです。

ここでは、あくまで部下である自分の「説明不足」を原因にします。決して、上司の「理解不足」のせいにしてはなりません。言葉にしなくても、「この上司、わかってないなあ」という雰囲気を出してしまうと、上司はそれに気づいてムッとしてしまうからです。

そこは、あえて自分が「気づかないフリ」をするのです。これは、お客様が相手でも同じです。相手の「理解不足」を原因にしても、何も解決しないからです。

新名史典(著) 『上司を上手に使って仕事を効率化する「部下力」のみがき方
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多分これで、上司は自分が言ったことと部下が思っている判断が違っていることに気が付きます。

その時の対応は、上司の性格やその場の状況等によっていろいろ別れるのですが、

 1.「じゃあ、お前はどう思っているんだ?」と聞く
 2.部下の説明をもう一度確認する。前の判断は取り消す
 3.「全体像がわかるように、資料を作ってこい」と突き返す
 4.あくまでも最初の判断にこだわる

くらいでしょうか。おそらく私がその上司だったら、「お前の見解を言え」というと思いますが、状況によるかも。

要は、上司がした判断を上司に変えてもらえるように情報を出し直すように持っていかないといけません。上司の判断は絶対ですので、それを覆せるのは上司しかいません。

■デメリットを説明する


本書では書かれていませんが、上司がかなりトンチンカンなことを言った場合には、「部下の説明不足」に加えて、それをすることによるデメリットをちゃんと説明しないといけません。

もし上司の判断に従った場合、大外れでなくともきっと問題が起きると考えられる場合には、

 「わかりました。ただ、その場合○○のような問題が起きるかもしれません。その場合はどのようにしたらいいでしょうか?」

と「その判断には重大な欠陥がある」と婉曲にいうわけです。

それがその仕事に差し支えるほどの問題であれば、上司は考え直すことになります。自分が判断したことなので、「そんなのはお前が考えろ」はいいにくいと思います。
※ちなみに、過去の上司で「個別の問題を処理するのはお前の責任だ!」と投げ返してくる人もいました…
※「決定するのはオレの権限、対処するのは部下の責任」って。
※こういう人にはこのやり方は効きません。

そのときに、どのような選択肢ならどのようなメリット・デメリットがあるのかを順番に説明すれば自分の判断に誘導しやすくなります。
もちろん、上司にもその業務関する知見があるような場合は中途半端なメリット・デメリットをいうと突っ込まれるかもしれませんが。

できたら、選択肢とメリット・デメリットを書き出しながら説明することが望ましいです。
全部が同時に頭に入るわけではありませんから。

■出直す


それでも上司が判断を変えない場合、私は「了解しました。それで進めます」と言って退散します。

上司が自分の判断に固執してしまうのは

 ・判断を変えることによる一貫性の欠如に対する恐れ
 ・自分の現在の精神状態・状況

などが影響していますので、説得は時間のムダです。

ただし、その上司の判断のとおりにはやりません。自分がこうだと思っているものを実施します。上司にはわからないように。
もちろん、表面的には上司の判断に従っているように見せないといけません。いわゆる面従腹背って状態ですかね。

そしてちょっと時間をおいて、上司に「新しい事実がわかりました」と報告に行きます。

そのときに、「まえに○○って指示をもらいましたが…」とは絶対に言ってはいけません。あたかも前回は単に報告だけして上司の判断はなかった}かのように}報告します。

要は上司の一貫性の欠如に対する恐怖心を取り除いてあげることです。

そして今度は自分が臨む結論に誘導しやすい資料を携えて相談に行けば、上司は「あ、あのときは間違えてたんだな」と気が付きます。
お互いにそれには触れないように、新しい判断を出せれば、上司の気分を害することなく期待する判断がもらえるようになります……よ、きっと。


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●本書を引用した記事
 バカな上司の下でも成長できる仕事術2
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 部下力のみがき方1:部下力のみがき方
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 バカな上司の下でも成長できる仕事術1
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●このテーマの関連図書

あなたが上司から求められているシンプルな50のこと

どんなにバカな上司の下でも成長できる仕事術

ザ・フォロワーシップ―上司を動かす賢い部下の教科書

ザ・チームワーク―良質なチームワークを築く24の方法

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